24日の米国株相場は上昇。S&P500種株価指数とナスダック総合指数、ナスダック100指数は終値ベースの最高値を更新しました。朝方発表された経済指標が堅調だったほか、バイデン大統領と超党派の上院議員グループがインフラ投資計画で合意したとの報道を受け、一日を通じて景気に対する楽観が続いたようです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

暫定合意

バイデン米大統領は24日、インフラ投資計画について超党派の上院議員グループと暫定的な合意に達したことを明らかにした。バイデン氏の最優先政策課題の一つが実現することになる。ただ大統領は合意案について、共和党が反対している「人的インフラ」にさらに多額の資金を投じる別の法案と並行して進められるとも指摘。「ツートラック(2つの路線)システムになる」と述べた。

たやすく通過

米連邦準備制度理事会(FRB)の発表によれば、米銀大手はストレステスト(健全性審査)を問題なく通過。これにより株主還元が制限される銀行はなくなり、各行は28日の通常取引終了以降、資本還元の計画発表が可能になる。銀行業界は業績が非常に好調なことから、還元額は過去最大となる可能性がある。

「調整」か「サプライズ」か

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は最近の物価上昇について、飛行機やホテルを利用する動きが戻りつつあるとし、「正常化への調整にすぎない」と指摘。「インフレは来年と再来年には2%前後に低下するはずだ」と述べた。一方でセントルイス連銀のブラード総裁は、物価上昇が行き過ぎになるリスクを指摘。「経済活動再開のプロセスが続くのに伴い、インフレがまださらに上振れサプライズとなり、過去に目標を下回っていた分を単に補うために必要な水準を超える可能性があるというのが新たなリスクだ」と述べた。

3例目

米食品医薬品局(FDA)は、米イーライリリーのアルツハイマー治験薬「ドナネマブ」を画期的治療薬(ブレークスルー・セラピー)に指定した。アルツハイマー病の原因と考えられる有害タンパク質、アミロイドを標的にした治療薬の候補が画期的治療薬指定を受けるのは、ドナネマブが3例目。イーライリリー株は24日の米市場で急伸した。

人権侵害で対策

米国は中国の新疆ウイグル自治区で生産された太陽光パネル関連製品の一部を輸入禁止とした。イスラム系の少数民族ウイグル族らの人権侵害が疑われている問題に対し、バイデン政権が打ち出した最も大規模な措置の1つとなった。ウイグル族らを対象に大規模な拘束や強制労働が行われていると人権団体や国連の専門家パネルなどが指摘する同自治区は、太陽光パネルや半導体の重要な材料であるポリシリコンの全世界の供給の半分程度を生産する。

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