物言う株主として知られる英アセット・バリュー・インベスターズ(AVI)が、2017年から投資していたTBSホールディングス株式の持ち分を、20年下期に全て売却していたことが25日、分かった。
TBSに対しては、過大に抱える政策保有株を株主に還元するよう求めた株主提案を18年に行うなど、積極的な対話を行っていた。昨年2月にTBSが自社株買いや保有株の一部売却などを発表した際には、株主還元の姿勢を歓迎するコメントも出していた。
AVIのジョー・バウエルンフロイント最高経営責任者(CEO)は、ブルームバーグの取材に対し「経営陣と建設的な対話を続けてきたが、変革のスピードが遅いと感じ、他のより良い投資機会に集中することにした」と売却の理由を説明した。
TBS広報部は、個別の株主による売買についてのコメントは控えるとした上で「機関投資家や株主とは、日頃より建設的な対話を行っている」と電子メールで回答した。
ブルームバーグのデータによると、AVIは20年2月時点でTBS株式の1.39%を保有していた。