大手電機メーカーの三菱電機は、製造している空調設備をめぐり性能などを確かめる検査で不正があったことを明らかにしました。不正は30年以上続いていた可能性があるということです。

会社によりますと、鉄道向けの空調設備を製造している長崎県の工場で6月、製品の検査システムの改修をしていたところ、検査記録に不自然な点が見つかったということです。

詳しく調べた結果、顧客の求めに応じて行う安全性や冷暖房の性能に関する検査で、実際は実施していないにもかかわらず、架空のデータが記入されていたことが明らかになりました。

関係者によりますと、不正は1980年代から続いていた可能性があり、顧客が求める水準を満たしているように装っていた疑いもあることから、会社は従業員の聞き取りなど本格的な調査を始めました。

すでに出荷した製品の安全性ついて会社は「社内で定めた安全基準は満たしているため、問題はない」としています。

三菱電機の鉄道向けの空調設備は、国内の鉄道会社をはじめ欧米の地下鉄にも納入された実績があります。

会社は「顧客や関係者に多大なるご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」とコメントしています。