[ワシントン 29日 ロイター] – コンファレンス・ボード(CB)が29日に発表した6月の米消費者信頼感指数は127.3と、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まる直前の2020年2月以来の高水準を付けた。第2・四半期に経済が力強く伸びるとの見方が強まった。市場予想は119.0だった。
5月は120.0だった。統計は労働市場に重点を置いている。
6月の内訳は、現況指数が157.7と、5月の148.7から上昇。期待指数は107.0と、5月の100.9から上昇した。
雇用関連で、就職が困難と答えたのは10.9%で、5月は11.6%だった。職が十分とみる向きと就職が困難とみる向きとの差は43.5と、前月の36.9から上昇し、2000年以来の高水準。同指標は雇用統計の失業率と相関性がある。FWDBONDS(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「消費者が正しければ、7月2日発表の雇用統計で、非農業部門雇用者数が100万人増加する可能性がある」と述べた。
1年先の期待インフレ率も6.7%と、5月の6.5%から伸びた。
コンファレンスボードの経済指標担当シニアディレクター、リン・フランコ氏は「現況指数は再び改善し、経済成長が第2・四半期に一段と加速したことを示した」と指摘。「景気や、個人の経済状況が向こう数カ月間改善し続けるとの期待から消費者の短期的な楽観傾向が戻った」と分析した。
自動車や家電製品などへの需要が堅調となっているほか、消費者の住宅購入意欲も旺盛で、供給の遅れに伴い住宅価格は引き続き大幅に値上がりする見込みだ。また多くの人が向こう半年間で国内中心に休暇を取るとしており、これがサービス需要を押し上げ、個人消費に拍車を掛けるとみられる。
ハイ・フリークエンシー・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ルビーラ・ファルーキ氏は「消費者の態度は、現在進行中の経済再開や今後の公衆衛生状態の改善を背景に、雇用や所得の増加を後押しするだろう」と述べた。
オックスフォード・エコノミクス(ニューヨーク)のリード米国エコノミスト、オレン・クラチキン氏は「新型コロナ感染者数の減少、雇用の回復、貯蓄の増加などで信頼感が押し上げられ、夏にかけて消費は急拡大する」との見方を示した。