先進国の労働市場では、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で失われた職の半分しか回復しておらず、若年層やスキルの低い労働者が最も打撃を受けていると、経済協力開発機構(OECD)が報告をまとめた。

  OECDによれば、2020年末までに先進国で約2200万人が失職した。雇用がコロナ前の水準に回復するのは、来年末以降の見通しだという。

  所得格差や、より高い技術力を求める求人へのシフト、低スキル労働者の安定した雇用機会の減少など、過去10年に始まった多くの傾向がコロナ禍によって加速したとOECD報告は示唆する。

  OECDの雇用・労働・社会問題担当ディレクター、ステファノ・スカルペッタ氏は「格差や疎外といった問題に今対応しなければ、社会の分断がより深まるだけでなく、生産性や経済回復に悪影響を及ぼすことになるだろう」と指摘した。

  スカルペッタ氏は記者会見で、「失業している労働者のスキルや能力と、実際に今求められているスキルの間に、ミスマッチが広がっている可能性がある」と述べた。

原題:Covid-19 Pushed 22 Million Out of Job Market in Major Economies(抜粋)