[ニューヨーク 8日 ロイター] – 米国株式市場で、旅行やレジャーなど新型コロナウイルスの収束を見据えたアフターコロナ関連株が軟調に推移しており、変異ウイルス「デルタ株」への懸念が一因であることが示唆されている。
バリュー株は今後数カ月の経済成長が想定よりも鈍化するとの懸念が重しとなっているが、そのバリュー株よりも経済再開に関連する銘柄の株価がアンダーパフォームしている。
クルーズ船運航大手の米カーニバル・クルーズ・ラインとノルウェージャン・クルーズ・ライン・ホールディングスの株価は7月に入り、それぞれ約9%、8%下落。米航空大手アメリカン航空は約4%安、ユナイテッド航空は4.5%安。米カジノ運営のMGMリゾーツは約5%値下がりし、米オンライン旅行代理店エクスペディア・グループは1%下落している。
経済の影響を受けやすい銘柄を含むラッセル1000バリュー指数は同期間に0.8%下落している一方、S&P総合500種は8日午後の時点で月初来0.7%高となっている。
スタンダード・チャータードの北米マクロ戦略責任者、スティーブ・イングランダー氏は「不確実性が高く、市場は変異株が世界のサプライチェーン(供給網)や活動にどれほどのリスクをもたらすかを考慮しているのだろう」と述べた。
グリーンウッド・キャピタルの最高投資責任者(CIO)、ウォルター・トッド氏は、アフターコロナ関連株のアンダーパフォームは、変異株が旅行を制限し、成長を鈍化させるという懸念が一因とした上で、これらの銘柄はワクチンに関するニュースを受けてかなり大きく上昇していたため、その反動もあるとの見方を示した。