ソフトバンクグループはメキシコやブラジルなど中南米への投資を倍増するため、新たに50億ドル(約5490億円)を追加する準備をしていることが複数の関係者への取材で分かった。
関係者の1人によると、同社は近く同地域での出資額増額を取締役会で決議する見通しで、同地域への投資額はこれで累計100億ドルとなる。増額分は2019年の1号ファンドに続き、2号ファンドとして設定される可能性もあり、マルセロ・クラウレ副社長が統括する。
ソフトバンクGの孫正義社長はAI(人工知能)などテクノロジーに特化したスタートアップへの投資を加速、一方、クーパンやドアダッシュなどの上場による投資回収も積極的だ。同社が自己資本で投資するビジョン・ファンド2号は出資コミットメントの規模を4兆円超まで引き上げている。
ソフトバンクGの広報担当者は、さまざまな議論があるもののまだ何も決まっていないとコメントした。
中南米ではヘルスケア、電子商取引、デジタル金融サービス、運輸、保険などを投資対象にしてきた。同地域は人口が世界の1割、国内総生産(GDP)が中国の2分の1に相当し、インターネットの利用者は3億7500万人、スマートフォンも2億5000万人と米国を上回るという。