- 「民主主義の敵」と闘わなければならない-李俊錫氏
- 保守系野党、政権奪取をハーバード大で学んだ李氏に託す
韓国最大野党の新代表に選出された36歳の李俊錫(イ・ジュンソク)氏は、自身と同じミレニアル世代に属する人々が中国による香港などでの「残虐行為」に抵抗するだろうと述べた。韓国で政権交代が実現した場合、中国政府に対し、より厳しい姿勢で臨む可能性を示唆した。
米ハーバード大学で学んだ李氏は9日、自身のオフィスでのブルームバーグとの英語でのインタビューで、世代交代が起きつつあると指摘。自ら率いる保守系野党「国民の力」が選出する候補に大統領選で勝利させ、韓国と国際社会との関係の見直しにつなげることを目指すと語った。
韓国の主要政党の党首としては憲政史上最年少の李氏は、「われわれが民主主義の敵と闘う必要があることは明白だ」と語った。2019年の香港の抗議デモに参加した李氏は、香港での民主化要求の動きについて、独裁政権を終わらせた1980年代の韓国の動きを思い起こさせると指摘した。
文在寅現政権のメンバーには80年代の民主化運動に参加した人が多いが、文大統領は最大の貿易相手国である中国に対し、香港や新疆ウイグル自治区の問題を巡って米国や欧州連合(EU)よりもソフトな姿勢で臨んでいる。
香港当局が政府に批判的な現地紙、蘋果日報(アップル・デーリー)を休刊に追い込んだことについて、米国など「報道の自由連合」に加わる21カ国は、これを非難する共同声明を発表したが、署名した国に韓国は含まれていなかった。
日米英など「報道の自由連合」、香港の蘋果日報休刊巡り当局を非難
野党は、文政権が中国や北朝鮮の人権侵害に対し十分に厳しい姿勢を取っていないと批判している。李氏は「文政権が中国寄りに傾いていると確かに言える」とし、韓国の国民は「それに不満を抱いている」と語った。
大統領府にコメントを求めたが、直ちに返答はなかった。韓国外務省は以前、中国の「一国二制度」に従った香港の「高度な自治」を支持すると表明している。
韓国の憲法では大統領選の被選挙権は40歳以上と定められているため、李氏は2022年の大統領選には出馬できない。このため、国民の力の候補者選びが最大の課題の一つとなっている。
李氏は現政権の北朝鮮政策についても疑問を呈した。南北を統一する際に北朝鮮の「経済システムに保持すべきものはあるだろうか。ないと私は答える」と述べた。
27年大統領選への出馬の可能性否定
北朝鮮指導者の金正恩朝鮮労働党総書記については「西側の教育機関で学んだと聞いている。民主主義の価値や先進国の社会制度を知っているということだ。ではなぜ、彼はこのように振る舞っているのか」と語った。
李氏はジェンダー不平等の問題に関連し、「1960年代と70年代には韓国女性が教育や雇用の機会から排除された時期が確かにあった。われわれの母親世代の話だ。しかし2021年に韓国の女性で基本的な教育の機会を奪われている人はいないと思う。だが文在寅政権は公平な競争が行われるにはなお不平等が多過ぎると主張しようとしている」と指摘した。
27年大統領選に立候補する可能性については「全くない。大統領選に出馬するには、国民のために世界情勢の中で議論する準備ができていなければならない。私にはさらなる訓練が必要だ」と語った。
原題:South Korea’s Harvard-Taught Political Boss Rips China ‘Cruelty’(抜粋)