【ロンドン=池田慶太】英下院は15日、中国政府による人権弾圧に抗議の意思を示すため、来年の北京冬季五輪に政府代表を派遣しない「外交的ボイコット」を英政府に求める決議を採択した。法的拘束力はないものの、議会の厳しい対中認識が改めて示された。

 超党派の全会一致で採択された決議は、「大量虐殺の犯罪で非難されている国で五輪は開催されるべきではない」と指摘。新疆ウイグル自治区のウイグル族などへの「虐殺」が終わらなければ、開・閉会式などに王室関係者や閣僚らを派遣しないよう政府に促した。

 討議では、新疆のほか香港、チベットの人権状況に懸念が示され、問題解決に向けた対中圧力強化を求める意見が相次いだ。英下院は今年4月にも、ウイグル族などへの弾圧を「ジェノサイド(集団殺害)」と認定する決議を行っている。