[ニューヨーク 15日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが上昇。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が引き続きハト派姿勢を維持する中、ドルは値下がりする場面も見られたものの、失業保険申請件数の改善が支えとなった。
ドルは通貨バスケットに対し0.2%高の92.603。一時92.272まで下げた。
パウエル議長はこの日、上院銀行委員会で証言。前日の下院での証言と同様、米経済回復に向け「強力な支援」を提供すると確認したほか、足元のインフレ高進を理由に経済支援策を急いで縮小する必要はないとの考えを強調した。
スコ̪シアバンクのチーフFXストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「連邦公開市場委員会(FOMC)では様々な意見が出ているが、議長の立場は明確で、テーパリング(量的緩和の縮小)に関する決定は今年の終盤まで行われないだろう」と述べた。
経済指標では、週間の新規失業保険申請件数が36万件と、前週の38万6000件から改善し、昨年3月以来1年4カ月ぶりの低水準となった。
ポンド/ドルはほぼ横ばい。イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会のソーンダーズ委員は、物価が予想以上に急激に上昇しているため、現在の国債買い入れプログラムの中止を早期に決定する可能性があると述べた。刺激策縮小の可能性について言及した英中銀メンバーはここ2日間で2人目。
カナダドルは下落し約3カ月ぶり安値。原油の値下がりに加え、6月の雇用者数が約30万人減少したことが響いた。
ドル/円
NY午後4時 109.78/109.81
始値 109.97
高値 110.08
安値 109.79
ユーロ/ドル
NY午後4時 1.1812/1.1813
始値 1.1816
高値 1.1823
安値 1.1797