【ワシントン時事】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は17日、今週開幕の東京五輪について「完全な失敗に向かっているように見える」と論評するコラムを掲載した。五輪招致の理念だった「おもてなし」の精神は後退し、外国人への警戒に取って代わられたと記した。
コラムは、東京五輪が日本にとって、中国に対抗するアジアの盟主としての地位や、30年間に及ぶ経済停滞からの復活をアピールするチャンスだったと説明。ところが、新型コロナウイルス禍の中で開催を強行する国際オリンピック委員会(IOC)や政府の姿勢に国民の反発は強まり「熱気は不満、無関心、ついには敵意に変わった」と論じた。
敗戦からの復興を象徴した1964年の東京五輪と異なり、国家の誇りや経済効果は期待できないとも指摘。周囲と遮断された会場や納税者の負担となる膨大な請求書を見るにつけ「東京都民はなぜ、誰のためにこの犠牲を払うのかを自問自答している」と言及した。
また、東京都内のホテルがエレベーターを日本人専用と外国人専用に分けて案内していた問題を紹介。世界に対する歓迎を示すはずだった「おもてなし」の心は「偏狭で内向きな外国人への警戒」に変化したと分析した。
※コメント
こういう記事を見ると、ワシントンポストも洗練されたメディアではないという気がする。オリンピックにまつわる不満や不安、批判といったものを、上から目線で切り取るだけではもうメディアの役割は担えない。組織員会が志向する強烈に管理された五輪のどこが問題なのか、具体的に指摘すべきだろう。