• レバレッジド・ファンドは米長期国債のショートポジション拡大
  • 米10年債利回り、このままいけば月間ベースで4カ月連続低下

ウォール街のトレーダーとストラテジストを困惑させている最近の米国債相場の上昇では、ヘッジファンドなど動きの速いファストマネー投資家も不意を突かれている。

  ヘッジファンドを中心とした大手レバレッジド・ファンドのポジションに関するデータによると、こうした投資家は過去数週間、リフレ取引の再開を見込み、年限が長めの米国債の下落を見込んだ投資を増やしてきた。

  しかし、実際には米国債相場は上昇(利回りは低下)。10年債利回りは19日、今年2月以来の低水準を付けた。このまま行けば同利回りは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後では初の4カ月連続低下となる。

米10年債利回り、1.2%割り込む-コロナ感染再拡大で経済成長懸念

  これは、一部ヘッジファンドにとって問題となりつつある。米商品先物取引委員会(CFTC)の最新データによると、レバレッジド・ファンドの米20年債および30年債に対するネットショート(売り越し)ポジションは先週、2月以来の高水準に膨らんだ。

  一方、20年債と30年債の利回りは過去2カ月で約50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)それぞれ低下した。

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  PGIMフィクスト・インカムのチーフ投資ストラテジスト兼グローバル債券責任者のロバート・ティップ氏は「今回のサイクルでの利回りはピークを迎えたと考える」とし、「長期の強気相場が再開した今、米国債のショートで利益を得るのは難しいと思う」と語った。

債券強気派が宣告、リフレトレード時間切れ-利回り頂点過ぎたと指摘

原題:Hedge Funds Are Blindsided by Bond Rally Stumping Wall Street(抜粋)