[ワシントン 19日 ロイター] – 全米経済研究所(NBER)の景気循環日付委員会は19日、新型コロナウイルスを発端とするリセッション(景気後退)は2020年3─4月のわずか2カ月しか続かなかったと発表した。過去最短となる。

20年4月時点で稼働能力が正常化したとは言えないものの、雇用と生産の両指標が「20年4月が景気の谷だったことを明確に示している」とし、5月から回復したとの見方を示した。

また、成長率の回復は非常に急速だったと指摘。「前例がないほどの大幅な落ち込み」だったため、何が起こればそもそもリセッションなのかを考えさせられたとした。リセッションと判断するには一般的に「深さ、期間、広がり」が必要とされている。

20年3月から4月にかけて約2200万人が失業し、大恐慌への懸念が台頭。ただ、5月には280万人が復職し、その後1年間で約1500万人分の雇用が回復した。

委員会は声明で、雇用は「4月に明確な谷を迎え、力強い回復が数カ月間続いた後、より緩やかな増加に落ち着いた」とし、所得も同様に増加したとの見方を示した。

委員会は米景気サイクルの開始日と終了日を決定している。