「長く、曲がりくねった道のりだった」。新型コロナの影響で各地で公道走行が見送られる中でも、聖火が全47都道府県を巡り、開会式にたどり着くまでの経緯を、小池知事はビートルズの名曲「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」になぞらえ、表現した。

 緊急事態宣言が発令され、都内の五輪競技は無観客開催が決まった。都教育委員会によると、都内の児童生徒約90万人が東京五輪やパラリンピックを会場で観戦する「学校連携観戦プログラム」も五輪では困難となっており、一部の自治体からは実現を求める声が上がっている。

 インタビューで小池知事は「東京の子どもたちにとっては目の前が大会会場だ。五輪の0・01秒を競い合う研ぎ澄まされた迫力と、パラリンピックの飽くなき挑戦。どちらも感動する」と強調。特にパラは、知事自身が前回2016年のリオデジャネイロ大会で水泳競技を観戦した体験を踏まえ、「ぜひ、そうしたい」と話した。

 22日から4連休となり、夏休みに入る学校や企業も多いことも念頭に、「家でスポーツを楽しむことが、コロナ対策にも最大の効果をもたらす」と訴えた。1920年のアントワープ(ベルギー)大会が、世界で多数の死者を出したスペイン風邪や、第1次世界大戦からの再生の象徴になったことに触れ、「(今大会は)すでに忘れ得ぬ大会になっているが、これが世界を変えるきっかけになればと思う」と期待を込めた。