- 向こう数年でフェイスブックはメタバース企業と認識されるだろう
- 会見では、アナリストから懐疑的な見方も示された
米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はユーザーが同社の製品にログインするだけでなく、生活や仕事、そして運動までも体験できる「メタバース」(ネット上の仮想世界)の実現を目指していると語った。
同氏は1週間前からこの「メタバース」という高度概念を同社とインターネット全体の未来像として提示し始めた。
ザッカーバーグ氏は「向こう数年で当社に対する人々の主な認識はソーシャルメディア企業からメタバース企業に変わると予想する」とした上で、「さまざまな意味でメタバースはソーシャルテクノロジーの究極の表現だ」と説明した。
同氏がメタバースという言葉を公の場で使い始めたのは最近だが、フェイスブックはVRとAR(拡張現実)に投資するなど以前からメタバースの構築を進めてきた。
同社は26日、メタバースの構築に取り組む社内の独立製品グループを発表。ザッカーバーグ氏は4-6月(第2四半期)決算を発表した28日の電話会見で、アナリストや投資家に対し、熱意を持って自身のメタバース構想を説明した。同社幹部も同会見でメタバースに多く言及した。
ただアナリストらは懐疑的だった。エバコアのアナリスト、マーク・マハニー氏はザッカーバーグ氏に、メタバース構築に予定している投資額を尋ねたほか、他のアナリストからも投資利益を得られる時期の見通しなどの質問が投げ掛けられたが、明快な答えは得られなかった。
デービッド・ウェーナー最高財務責任者(CFO)は同社が「数十億ドル」を投じているとし、メタバースがいったん成功すれば利益が得られると述べるにとどまった。
同社は28日の発表資料で「規制およびプラットフォームの変更を受けて、2021年はターゲティング広告で逆風」に直面していると説明しており、メタバースは当面、同社が抱えるこうした問題の解決には役立たない見通しだ。
フェイスブックが成長鈍化見込む、広告で「逆風」に直面-株下落 (1)
原題:Zuckerberg Says Facebook’s Future Lies in Virtual ‘Metaverse’ (1)(抜粋)