[ワシントン 4日 ロイター] – 企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが4日に発表した7月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が33万人増加した。労働力と原材料不足が足かせとなり、市場予想の69万5000人増を大きく下回った。
5カ月ぶりの小幅増にとどまったことで、6日に発表される7月の米雇用統計の雇用者数の伸びがアナリスト予想を下回る可能性も出てきた。
キャピタル・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、ポール・アシュワース氏は「労働力不足が依然深刻であることを示唆した」とし、「ADP報告は米雇用統計の内容を予想する上で必ずしも良好な指標にはならないが、コンセンサス予想に明確な下方リスクが存在することを示している」と述べた。
6月分は68万人増と、当初の69万2000人増から下方改定された。
7月は全ての業種で雇用の伸びが鈍化した。レジャー・ホスピタリティーは13万9000人増。しかし、伸びは第2・四半期の平均である33万人増を下回った。
製造業は8000人増。第2・四半期平均は3万5000人増だった。世界的な半導体不足が自動車産業の生産を圧迫している。
建設は1000人増。木材の高騰や建設資材不足が制約となっている。
ロイターが実施したエコノミスト調査によると、7月の雇用統計では、民間部門雇用者数が75万人増、非農業部門雇用者数が88万人増になることが予想されている。