[ニューヨーク 11日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが下落。朝方発表された7月の米消費者物価指数の伸びが前月比で鈍化し、米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和の縮小(テーパリング)開始への圧力が一部和らいだ。

7月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年同月比5.4%上昇と、コロナ禍が引き起こした供給網の混乱が続く中、13年ぶりの高水準にとどまった。一方、前月比では0.5%上昇と、6月の0.9%上昇から鈍化し、インフレがピークを付けた兆候も垣間見られた。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.17%安の92.915。CPI発表前には4月1日以来の高値となる93.195を付け、年初来高値の93.439に迫る場面もあった。

BKアセット・マネジメントのマネジングディレクター、キャシー・リエン氏は「CPIを受け、ドルに一部利益確定の売りが出た。しかし、FRBの路線を変更させることはない」とし、向こう6週間以内に「テーパリングについて発表するだろう」と述べた。

OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「来月の米雇用統計の発表が鍵となるだろう。芳しい内容とならなければ、テーパリングの時期は年末に向けて後ずれする可能性がある」と予想した。

ユーロ/ドルは0.16%高の1.17395ドル、ポンド/ドルは0.2%高の1.38645ドル。円も対ドルで0.12%上昇し、110.445円を付けた。

豪ドルとニュージーランドドルも米CPI統計を手掛かりに、対米ドルでそれぞれ0.33%、0.5%上昇した。

暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが1.5%高の4万6304.54ドル。一時、5月17日以来の高値となる4万6787.60ドルを付けた。イーサも2.7%高の3226.18ドル。