中国は世界3位のコンテナ取扱量を誇る寧波舟山港を部分閉鎖した。同港では労働者1人が新型コロナウイルスに感染していた。重要な商戦期が近づく中で、すでに問題を抱えていたサプライチェーンや世界貿易に一層の打撃となる恐れがある。
同港の発表文によると、「システムの混乱」のため、梅山ターミナルで入港・出港とも全てのコンテナサービスを11日から停止した。再開の通知があるまで停止を継続する。同港の労働者1人が新型コロナ検査で陽性反応を示したと、寧波市が明らかにした。
セキュリティー関連のコンサルティング会社ガルダワールドの試算によると、閉鎖されたターミナルは寧波舟山港のコンテナ取扱量全体の約25%を占め、「サービス停止は貨物取り扱いと出荷に深刻な影響を及ぼす可能性がある」と同社は指摘。ドイツのコンテナ船運航会社ハパックロイドは、運航に遅れが生じると通知した。
新型コロナが理由で中国の港が閉鎖されるのは、最近では深圳の塩田港に次いで2件目。塩田港の閉鎖は5月下旬から約1カ月続き、工場や保管場所に商品が山積みになり貨物運賃も押し上げた可能性が高い。貨物運賃はすでに記録的な高水準にあり、インフレの源となっている。
原題:
China Partly Shuts World’s Third-Busiest Port, Risking Trade (1)(抜粋)