[モスクワ/ロンドン/パリ 16日 ロイター] – ロシア外務省は16日、ラブロフ外相がブリンケン米国務長官とアフガン情勢を巡り電話会談し、中国やパキスタン、国連との協議を継続する方針で合意したと明らかにした。

アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンは15日、首都カブールの大統領府を掌握し、戦争の終結を宣言した。

ブリンケン長官は会談で、米大使館職員の国外退去など米政府の行動を伝えると同時に、人道的問題への対応策などについて協議。ラブロフ外相はアフガン情勢を巡るロシアの見解に加え、法や秩序による安定の確保に向けて現地の政治勢力と接触する方針を示した。

外務省によると、ラブロフ外相は中国の王毅外相とも電話会談し、アフガン情勢と周辺地域への影響を踏まえた政治的な連携について協議した。

また、英国のジョンソン首相は16日、マクロン仏大統領と電話会談し、悪化するアフガン情勢を巡り討議するため、主要7カ国(G7)首脳によるバーチャール形式での会議を数日中に開催する意向を表明した。

両首脳は国連決議の可能性を含め、英仏が国連安保理で協力していく方向でも一致した。

こうした中、ラーブ英外相はタリバンの動向次第で、英国が必要に応じ制裁を発動するか、援助をストップする可能性があるとの認識を示した。

フランスのマクロン大統領は国民に向けた演説で「アフガニスタンが以前のようにテロリストの温床になることがあってはならない」と指摘。平和と国際安定が試されているとし、「米国、ロシア、および欧州が効率的に協力できるよう、あらゆる手段を尽くす」と述べた。