[ニューヨーク 17日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが続伸。アフガニスタン情勢や新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染拡大、中国経済の減速を巡る懸念からドルの逃避買いが膨らんだ。

朝方発表された7月の米小売売上高が前月比1.1%減と、市場予想の0.3%減を超える落ち込みとなり、ドルへの重しとなったものの、7月の米鉱工業生産統計の製造業生産指数が1.4%上昇し、追い風となった。

グローバル・ペイメンツのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は、米消費者が一段と慎重となりつつある様子が小売統計によって確認されたと指摘。中国経済の減速を示す指標やアフガン政情混乱も相まり、「投資家はドル建ての借り入れポジションを解消し、高リスク市場から資金を引き揚げている」と指摘した。

イスラム主義組織タリバンは17日、首都カブールでアフガニスタン制圧後初の記者会見を開き、諸外国との平和的な関係を望むとともにアフガン政府の兵士らに報復しないと強調し、イスラム法の枠組みの中で女性の権利を尊重すると表明。しかし、投資家の懸念払拭には至らなかったもよう。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.6%高の93.119。

ユーロ/ドルは0.6%安の1.1709ドル。

ニュージーランドドルは1.7%安の0.6904米ドル。同国のアーダーン首相が、国内最大の都市オークランドで新型コロナの新規感染者が1人確認されたため、全国的なロックダウン(都市封鎖)を導入すると発表したことを受け、一時3週間ぶりの安値となる0.6900米ドルを付けた。

豪ドルは1.2%安の0.7253米ドル。オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)の議事要旨がハト的な内容と受け取られ、一時9カ月ぶり安値に沈む場面もあった。オーストラリア中銀は17日公表した8月理事会議事要旨の中で、新型コロナウイルス流行に伴う国内のロックダウン(都市封鎖)が景気後退を悪化させる恐れがあれば、政策面で行動を取る用意があるとした。

ドル/円は0.3%高の109.56円。

市場では米連邦準備理事会(FRB)が18日に公表する7月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に注目が集まる。

ドル/円 NY終値 109.57/109.60

始値 109.27

高値 109.65

安値 109.19

ユーロ/ドル NY終値 1.1708/1.1712

始値 1.1764

高値 1.1772

安値 1.1709