[カブール 19日 ロイター] – イスラム主義組織タリバンが全権掌握したアフガニスタンでは19日、タリバン統治に反対する抗議活動が首都カーブルや同国東部の都市で拡大している。複数のデモは小規模にとどまっているが、国外に退避しようと数千人の市民がカブールの空港に殺到する中、タリバンが直面する試練が浮き彫りとなった。

ソーシャルメディアに投稿されたカブールのデモの映像からは、市民はアフガン国旗を掲げ行進し、女性の姿も見られる。目撃者の情報によると、カブールのデモでは銃声が聞かれたものの、タリバンが混乱収集に向けて空に向け発砲したもよう。

東部クナール州の州都アサダバードやナンガルハル州の州都ジャララバード、パキタ州でもデモは拡大し、一部のデモ参加者がタリバンの旗を引き裂いたと報じられている。

アサダバードでは、デモ中に複数の死者が出たという情報が伝わっているものの、タリバンの発砲、もしくは発砲によって引き起こされた混乱によるものかどうかは不明という。

18日にはジャララバードでタリバン兵が抗議デモ隊に発砲し、複数の目撃者によると少なくとも3人が死亡、10人以上が負傷した。

こうした中、タリバンは宗教指導者(イマーム)に対し、国外退避をやめ、タリバンへの否定的な報道に対抗することを市民に説得するよう促した。

また、タリバンは19日、国外に逃れるためカブールの空港前に集まった市民に対し「誰も傷つけたくない」として、家に帰るよう呼び掛けた。

タリバン幹部はロイターに対し、外国人の国外退去を支援する「約束を守っている」とし、「外国人だけでなくアフガン人にも安全な出国経路を提供している」と語った。

バイデン米大統領は、正統政府として国際的に承認されることの是非はタリバン自ら決定する必要があると述べた。ただタリバンの基本的な信条は変わっていないとの認識を示した。