[ニューヨーク 20日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが小幅安。リスク選好度が高まる中、一時付けていた9カ月半ぶり高値から下げに転じた。しかし、新型コロナ変異ウイルス「デルタ株」の感染拡大を巡る懸念が広がる中、ドルの短期的な見通しは引き続き良好とみられる。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.1%安の93.491。一時、昨年11月上旬以来の高値となる93.734を付ける場面もあった。週足では1%上昇と、2カ月ぶりの大幅な伸びを記録した。

キャピタル・エコノミクスのシニア市場エコノミスト、ジョナス・ゴルターマン氏はリサーチノートで「短期的にはドル高が幾分進む見通し」とし、「他の主要国と比較し米成長が堅調であることや、段階的な金融引き締めがドルへの上昇圧力となるだろう」と述べた。

豪ドルは0.2%安の0.7137米ドル。一時、9カ月半ぶりの安値となる0.7107米ドルに沈んだ。週足では3.3%下落し、昨年9月以来の大幅な下げを記録した。オーストラリア最大の人口を抱えるニューサウスウェールズ(NSW)州当局は20日、州都シドニーのロックダウン(都市封鎖)を9月末まで延長した。

ニュージーランドドルも一時9カ月ぶりの安値となる0.6807米ドルを付けたが、その後は0.2%高の0.6838米ドル。ニュージーランドのアーダーン首相は20日、新型コロナ感染拡大を防止するため全土を対象に実施しているロックダウンを延長した。

カナダドルは一時、対ドルで8カ月ぶり安値を更新した後、0.1%安の1.2840カナダドル。世界景気を巡る懸念を受けた原油相場の下げに追随した。

ユーロ/ドルは0.2%高の1.1697ドル。ドル/円は横ばいの109.80円。ポンド/ドルは1カ月ぶり安値を付けた後、0.1%安の1.3622ドル。オフショア中国人民元は一時3週間ぶりの安値となる1ドル=6.51元を付けた後、横ばいの6.499元で推移した。