[ニューヨーク 23日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが下落。米連邦準備理事会(FRB)が早期にテーパリング(量的緩和の縮小)に着手する公算が小さいことを示唆する指標を受け、リスクオンムードが広がった。
IHSマークイットが発表した8月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は3カ月連続で低下し、昨年12月以来の低水準を付けた。生産の制約や供給不足、新型コロナウイルスのデルタ株感染の急速な拡大を受け、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)による景気後退からの回復が勢いを失っている兆候を示した。
OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は、市場では2013年のような「テーパータントラム(緩和縮小を巡る市場の混乱)」は起きないという見方が大勢と指摘。「テーパーリングを巡る発表は年内に行われるだろうが、縮小ペースは極めて緩慢で、来年末までの利上げを示唆するシグナルが発せられることはないだろう」と述べた。
終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.57%安の92.95。
ユーロ/ドルは0.44%高の1.175ドル。IHSマークイットが発表した8月のユーロ圏PMI速報値が7月の記録的高水準を下回ったものの、景況拡大基調を維持したことが好感された。
ドル/円は0.11%安の109.680円。
高リスク通貨は軒並み上昇し、豪ドルは対ドルで1%超上昇。新型コロナ制限措置を「いつまでも続けるわけにはいかない。これは持続可能な生活の仕方ではない」という同国のモリソン首相の発言が材料視された。
ニュージーランドドルも0.7%高の0.6874米ドル。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは一時、5月半ば以来初めて5万ドル台に乗せた。
ドル/円 NY終値 109.68/109.71
始値 110.05
高値 110.14
安値 109.66
ユーロ/ドル NY終値 1.1743/1.1747
始値 1.1727
高値 1.1750
安値 1.1717