自民党は27日、台湾の与党・民進党に台湾積体電路製造(TSMC)の半導体拠点の日本設置を後押しするように要請した。大塚拓国防部会長がブルームバーグの取材に答えた。
要請したのは、初めて行われた自民党の外交、国防両部会長と台湾の与党・民進党の立法委員(国会議員)とのオンライン形式の会談。「外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)」の与党版で、今後も定期的に開催することで合意した。
大塚国防部会長は、経済安全保障の分野でも「日本と台湾の協力が非常に重要」として、連携強化に向けた議論を進める考えを示した。台湾の環太平洋連携協定(TPP)への早期加盟も後押しする。
日刊工業新聞電子版によれば、TSMCは、ソニーグループなどと半導体合弁事業計画を進めている。
台湾情勢を巡っては、4月に行われた日米首脳会談の共同声明で台湾海峡の平和と安定の重要性を確認。7月に公表した防衛白書でも「台湾情勢安定の重要性」が初めて明記された。
国家としての外交関係はないものの、自民党内では台湾を「極めて重要なパートナー」として議員外交を強化する動きが出ている。