[ワシントン 2日 ロイター] – 米労働省が2日に発表した8月28日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は34万件と、前週から1万4000件改善し、2020年3月中旬以来の低水準となった。米労働省が2日に発表した8月28日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は34万件と、前週から1万4000件改善し、2020年3月中旬以来の低水準となった。写真は5月10日撮影(2021年 ロイター/Mike Blake)
ロイターがまとめたエコノミスト予想は34万5000件。新型コロナウイルス感染が再拡大する中でも、米労働市場が堅調に推移していることが裏付けられた。
州別では、カリフォルニア州、イリノイ州、バージニア州で申請件数が顕著に減少。一方、オハイオ州とミズーリ州では大きく増加した。
8月21日までの1週間の継続受給件数は274万8000件と、前週から16万件減少し、20年3月中旬以来の低水準となった。
申請件数は20年4月初旬に614万9000件と過去最悪を更新。この水準からは大きく改善したが、労働市場が健全と考えられる水準の20万─25万件はなお上回って推移している。
ただ、失業保険申請件数は8月を通して減少。FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「労働省が3日に発表する雇用統計の結果にかかわらず、週間失業保険申請件数の動向から労働市場の引き締まりが継続していることが示されている」とし、「新型コロナウイルスのデルタ変異株の拡散が、米国で失業につながっている兆候は出ていない」と述べた。
ロイターが実施したエコノミスト調査では、8月の雇用統計で非農業部門雇用者数が75万人増加するとの予想が示された。7月は94万3000人増加していた。ただ、8月28日までの1週間は8月の雇用統計のデータ収集期間に含まれていない。
ジップ・リクルーターのチーフエコノミスト、ジュリア・ポラック氏は「デルタ変異株の感染拡大にもかかわらず、雇用統計では8月も急速な雇用拡大が続いたことが示されると予想している」と述べた。
こうした楽観的な見方を反映するかのように、雇用コンサルティング会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスがこの日に発表した統計によると、8月の米企業の人員削減数は17%減の1万5723人と、1997年6月以来の低水準となった。年初からの削減数は24万7326人と、前年同期から87%減少している。
ただ、新型コロナ感染再拡大を受け、労働市場への復帰をためらう人も増加。8月中旬時点でなお約1220万人が何らかの失業給付を受けている。