[ニューヨーク 3日 ロイター] – 米労働省が3日発表した8月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比23万5000人増と、市場予想の72万8000人増を大きく下回る伸びとなった。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●テーパリング発表は11月に先送り

<グレートヒル・キャピタルのマネジングディレクター、トーマスヘイズ氏>

雇用者数が予想を大幅に下回ったことは悪材料だが、これで米連邦準備理事会(FRB)がテーパリング(量的緩和の縮小)の時期を遅らせるとしたら、むしろ好都合と言える。

私の予想では、テーパリングの発表は9月ではなく11月になり、開始はおそらく今年の終わりか来年の初めになるだろう。10月のテーパリング開始はなくなったと考えられる。

●FRBの「忍耐強い」姿勢容認

<ジョーンズ・トレーディングのチーフ市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏>

非農業部門雇用者数の伸びが予想を大きく下回り、失望する内容となったことは明らかだ。とはいえ、重要なことは米連邦準備理事会(FRB)がテーパリング(量的緩和の縮小)前に忍耐強くいられることが許されたということだ。

政策的な観点からは現状維持との見方を変えるものではない。雇用者数の伸び鈍化が新型コロナウイルス変異株「デルタ」の影響ではないことを願うが、状況を把握するためにはより多くのデータが必要だ。

●デルタ変異株で飲食業に影響

<TDアメリトレード(シカゴ)のチーフ市場ストラテジスト、JJ・キナハン氏>

見た目ほど悪くない。新型コロナウイルス変異株の感染拡大に影響された結果のように見える。30万─40万人の雇用増があるため、予想を50万人下回ったとしても、補って余りある。

レストランやバーの営業再開が滞ったにすぎない。今回がこうした結果になった要因ついて、唯一考えられるのは、デルタ変異株の感染拡大で飲食店の営業再開ペースが影響を受けたことだ。製造、専門サービス、運輸などの数字は良好だった。