[ニューヨーク 7日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが上昇した。欧州中央銀行(ECB)理事会を週内に控える中、米国債利回りの上昇を受け、ドルのユーロに対するショートポジションを減らす動きが広がった。

ドルは前週3日、米雇用統計が予想を大幅に下回ったことで、8月初旬以来の安値を更新。ただその後は地合いを回復し、この日の終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.33%高の92.42。

スコシアバンク(トロント)のチーフ外為ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「ドルは少なくとも短期的には地合いを固めたもようだ」と指摘。「米経済が力強い状態が続き、連邦準備理事会(FRB)は年内にテーパリング(量的緩和の縮小)に着手するとの予想を変えていない」とし、ドルの小幅な下落は買いを入れる機会になったとの見方を示した。

米国債利回りは新発債発行計画などの影響で上昇。ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのストラテジストは、国債利回りの上昇も、ドル指数が雇用統計を受けた下落分を取り戻す要因になったとの見方を示した。

この日の取引で米10年債利回りは1.373%。雇用統計発表前は1.299%だった。

ユーロは1.1844ドル。3日には1.1909ドルと、1カ月ぶり高値を付けていた。

ECBは9日の理事会で景気刺激策の縮小について討議するもよう。アナリストは、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れ額は、現在の月額800億ユーロから少なくとも600億ユーロに縮小されると予想している。

豪ドルAUD=D3>は軟調。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は7日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを予想通り過去最低の0.10%に据え置くとともに、債券買い入れを予定通り縮小した。

英ポンドも下落。ジョンソン首相が増税計画を発表したことが嫌気された。

暗号資産(仮想通貨)は急落。一部の仮想通貨取引プラットフォームで問題が発生したが、急落との因果関係は分かっていない。

ビットコインは10%安の4万7153ドル。イーサは12%安の3460ドル。

ドル/円 NY終値 110.27/110.30

始値 109.93

高値 110.31

安値 109.94

ユーロ/ドル NY終値 1.1839/1.1843

始値 1.1874

高値 1.1876

安値 1.1838