[北京 13日 ロイター] – 中国工業情報化省は13日、国内インターネット企業に対し、自社サイトから競合サイトへのアクセスをブロックする長年の慣行をやめるよう指示し、従わない場合は何らかの措置を取ると発表した。
アナリストが「ウォールドガーデン(壁に囲われた庭)」と呼ぶ中国巨大ネット企業のこうした慣行はこれで終わることになるが、この動きはテクノロジーから教育、資産に至る分野にわたる政府による規制強化の新たな一手となる。
同省の報道官は今回の措置について、「ユーザー体験に影響し、利用者の権利を損なうとともに、市場秩序を乱す」と指摘。「現在、当該企業に自主点検と是正措置を講じるよう指導している」と述べ、インスタントメッセージが最初の対象分野の一つと指摘した。
報道官は、新規制を順守しなかった場合の対応は明らかにせず、特定の企業について言及しなかったが、リンク遮断に関する一部企業側の理解と企業に求められる行動にはまだギャップがあるとの認識を示した。
21世紀ビジネスヘラルドは11日、同省がアリババ・グループ、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)に自社プラットフォーム上で他社サイトへのリンクをブロックし合うことをやめるよう指示したと報じた。
例えば、テンセントはバイトダンス傘下の中国版TikTok「抖音(ドウイン)」のコンテンツを自社のメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」などで共有することを制限している。
テンセントは国営メディア「証券時報」に対し、今回の決定を強く支持し、段階的に実施すると述べた。アリババからはコメントを得られていない。
アリババの広報担当者は、ロイターに対し、張勇(ダニエル・チャン)最高経営責任者(CEO)の是正措置の必要性が強いという8月3日の発言を挙げた。
コンサルティング会社エージェンシーチャイナの調査戦略マネジャー、マイケル・ノリス氏は「中国のウォールドガーデンへの取り締まりは、同国のデジタル広告・Eコマースの状況を一変させる可能性がある」と述べた。
その上で、微信をアリババやバイトダンスに開放することがどういう意味を持つかという問題に直面するテンセントが目先最も注目されると指摘した。
また肖亜慶・工業情報化相は13日、国内の電気自動車(EV)メーカーの数は多過ぎると指摘し、政府は業界内の統合を促す方針だと明らかにした。