[ジュネーブ/ニューヨーク 13日 ロイター] – 国連は13日、イスラム主義組織タリバンによる実権掌握後、貧困や食料不足が悪化し、外国援助が先細っているアフガニスタンへの支援に向け、計6億ドル強を拠出するよう世界各国に呼びかけた。これまでに11億ドル超の資金拠出の申し出があったという。

グテレス国連事務総長はジュネーブで開催されたアフガンへの人道支援を巡る会合で「アフガンの人々は国全体の突然の崩壊に直面した」とし、数十年にわたる戦争や苦しみにさらされたアフガンが「最も危険な時期」に差し掛かっている可能性があるという認識を示した。

グテレス氏によると、アフガンでは月内にも食料が尽きる恐れがあるほか、国連世界食糧計画(WFP)は1400万人が飢餓の危機に瀕していると警鐘を鳴らした。

アフガンの近隣国である中国とパキスタンは既にアフガンへの援助に乗り出している。中国は先週、3100万ドル分の食糧と衣料品の配送を表明。パキスタンもアフガンの首都カブールの当局に調理用油や医薬品を供給した。

米国は新たな人道支援として約6400万ドルを、ノルウェーも1150万ドルの追加拠出を約束した。

会合では、アフガンへの支援を継続する「道徳的義務」があるという声が上がる一方、タリバンによる女性や少女の権利擁護を巡る懸念が根強い中、西側諸国が消極姿勢となっている状況も指摘された。