- 中国がTPP参加を正式申請、IMF専務理事が中国優遇で圧力か
- 米小売売上高は増加、次のFAANG発掘、半導体危機は長期戦に
「愛国心のあるお客様はマスクをお着けください」。1年半ぶりに再開したブロードウェイのミュージカル、「ハミルトン」の開演前に劇場で流れたアナウンスです。日本では当たり前のマスク着用に抵抗する人が欧米では少なからずいて、マスクを巡る争いは暴力沙汰になることもあります。英国では400万人以上が公共の場でマスク着用をやめたとガーディアン紙が報道。新型コロナウイルスワクチンの効果が時間とともに低下することが明らかになった現在、もう一度感染予防の基本を見直すことが求められています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
経済圏が拡大か
中国は環太平洋連携協定(TPP)への加入を正式に申請した。TPPは元々、力を増す中国に対抗する経済ブロックを発足させる狙いで、米国が構想したものだったが、トランプ前大統領が2017年に撤退を決め、日本主導で内容が修正され、まとめ上げられた。習近平国家主席が2020年に参加に関心を表明して以降、中国は水面下で数カ月にわたって協議を進めていた。現在のTPP加盟国は11カ国で、今年に入り英国も加入を申請していた。
中国のランキング
世界銀行の年次報告書「ビジネス環境の現状」を巡る調査報告書は、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事が世界銀行の最高経営責任者(CEO)だった当時、中国のランキングを上げるよう内部で圧力をかけたと指摘した。ゲオルギエワ氏は調査結果には同意できないとしている。世銀は昨年12月に発表したレビューで、2017年10月に発行された18年版報告書での中国のランキングは78位ではなく、本来は7つ下の85位であるべきだったと報告していた。
予想外れる
8月の米小売売上高は前月比で0.7%増と、予想外に増加した。自動車需要は弱かったものの、大半のカテゴリーで売り上げの伸びが加速した。自動車を除くベースでは1.8%増と、5カ月ぶりの大幅増。デルタ変異株の影響で旅行や娯楽などのサービス需要は抑制されている。小売売上高の統計では唯一、サービス関連支出のカテゴリーである飲食店は前月比横ばいとなった。国内総生産(GDP)の算出に使用されるコア売上高は2.5%増加と、5カ月ぶりの大幅な伸びを示した。
次のFAANG
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)は未来の「FAANG」を発掘しようとしている。16日にローンチのアクティブ運用型ETF「ゴールドマン・サックス・フューチャー・テック・リーダーズ・エクイティー(GTEK)」で、先進国および新興国のハイテク企業を組み入れ、ゴールドマン自身も顧客と共に投資する。GSAMでファンダメンタル株式の共同責任者を務めるケイティ・コッチ氏は「新規株式公開(IPO)から株価が17万5000%上昇する次の企業」を探すことに尽力していると語った。
長い道のり
ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)の米州事業トップは2022年後半まで米国での自動車生産が通常の水準に戻らないとの見方を示した。新型コロナウイルス感染急拡大で、マレーシアでサプライチェーンの問題が新たに発生したことが理由。VWグループ米州部門のスコット・キオ最高経営責任者(CEO)は、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が半導体生産と需要との間にある「構造的なギャップ」を顕在化させたと指摘した。
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