[香港 17日 ロイター] – 中国国営メディア「環球時報」の胡錫進編集長は16日、巨額の債務を抱える不動産開発大手、中国恒大集団について、「大きすぎてつぶせない企業」ではないとし、政府の救済を当てにせず、市場の手段を活用して自力で立て直しを図るべきと指摘した。
国営メディアが政府による同社救済に疑問を投げ掛けたのは初めて。
胡編集長はソーシャルメディア(SNS)「微信(ウィーチャット)」への投稿で、中国恒大が経営破綻してもリーマン・ブラザーズのような金融システムを揺るがす大混乱をもたらすとは思わないと述べ、同社が不動産開発会社で、中国では不動産の頭金の比率が非常に高いことを指摘した。
政府ではなく、市場に救済を求めるべきだとの認識を示した。
環球時報は、中国共産党機関紙「人民日報」系のタブロイド紙だが、同紙の見解は必ずしも中国当局の公式見解を反映するわけではない。
当局は、中国恒大の主要債権銀行に利払いの延期や返済期限の延長を認めるよう促しており、市場では政府が直接、同社を救済する可能性は低いとの見方が広がっている。
関係筋がロイターに明らかにしたところによると、中国恒大の海外の社債保有者グループは、未払いが発生した場合に約200億ドルに上るドル建て債を中心とした債務再編を進めるため、投資銀行のモーリスと法律事務所のカークランド・アンド・エリスをアドバイザーに選定した。
中国恒大は23日に2022年3月償還債の利払い(8350万ドル)、29日に24年3月償還債の利払い(4750万ドル)を行う必要がある。30日以内に利払いができなければ、デフォルト(債務不履行)となる。
17日の中国恒大株は13%下落し、11年10月以来の安値。23年10月償還のオフショア債は10%下落し、16.125セント。
主要債権銀行の一つである中国民生銀行の株価は4.6%下落し、上場来安値を付けた。