[ニューヨーク 17日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で は、ドルが3週間ぶり高値を付けた。前日発表の8月の小売売上高が予 想外に増加したことで、連邦準備理事会(FRB)は年内にテーパリン グ(量的緩和の縮小)に着手するとの観測が裏付けられたことが背景。 ただ来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)のほか、日銀の金融政策決定会合とイングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会を控え る中、商いは低調だった。

主要6通貨に対するドル指数は一時93.220まで上昇し 、8月第3週以来の高値を更新。終盤の取引では0.4%高の93.2 07。週間上昇率は0.6%と、8月中旬以降で最大となった。

FRBは21─22日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で、 テーパリングについて討議するとみられる。キャピタル・エコノミクス の市場エコノミスト、ジョナサン・ピーターソン氏は「今回のFOMC でテーパリング計画が発表されるとは予想していないが、新たな経済予測からFRBの反応が推し量れる可能性がある」と指摘。「われわれは 米国のインフレ率はFRBとの市場の現時点での予想よりも長く高止ま りするとみている。これにより、米国債利回りの上昇とドル高が支援さ れる」と述べた。

この日発表の米経済指標では、ミシガン大学の9月の消費者信頼感 指数(速報値)が71.0となり、2011年12月以来の低水準だっ た8月の70.3から小幅に上昇した。市場予想は72.0。インフレ 率が高止まりする中で、消費者が引き続き景気の先行きに厳しい見方を していることが示された。

終盤の取引でユーロは0.3%安の1.1729ドル。 一時は1.1724ドルと、3週間ぶり安値を付けた。 ドルは対円で0.2%高の109.92円。対スイスフランCHF=E BSでは0.5%高の0.9320フラン。一時は0.9324フラン と、5カ月ぶり高値を付けた。

ドルは中国人民元に対しても上昇。経営難に陥っている中国の不動産開発大手、中国恒大集団を巡る懸念が重しになり、オフショア人民元 は対ドルで一時2週間ぶりの安値を付けた。

ドル/円 
 NY終値 109.96/109.99
   始値 109.98
   高値 110.07
   安値 109.88

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.1725/1.1729
   始値 1.1781
   高値 1.1788
   安値 1.1725