[ニューデリー 22日 ロイター] – インド政府は、大手国営生命保険会社ライフ・インシュアランス・コーポレーション(LIC)が予定している新規株式公開(IPO)について、中国人投資家による株式の購入を阻止する可能性が高い。

政府関係者と銀行関係者がロイターに明らかにした。両国関係の緊張が浮き彫りとなった。

LICの資産は5000億ドル以上。インドの生命保険市場で60%以上のシェアを誇る戦略的企業とみなされている。

同社のIPOは、国内史上最大の122億ドル規模となる可能性があり、政府は外国人投資家の参加を認める計画だが、中国人による株式保有には警戒感を示しているという。

両国の国境地帯の係争地では昨年、軍事衝突が発生。インド政府はそれ以降、重要な企業・産業に対する中国からの投資の制限を目指している。中国のモバイルアプリの禁止や中国からの輸入品の検査強化といった措置も講じている。

ある政府筋は「国境で衝突が起きた中国と通常のビジネスはできない。不信感が大幅に高まっている」とし、LICなどの企業に対する中国からの投資にはリスクが伴う可能性があるとの見方を示した。

インド財務省、LIC、中国外務省のコメントは取れていない。