【サンパウロ時事】経済破綻により激烈なインフレに悩まされている南米ベネズエラで1日、通貨ボリバルを100万分の1に切り下げるデノミネーション(通貨呼称単位の変更)が実施された。同国では2008年に通貨を千分の1に、18年にも10万分の1に切り下げるデノミが行われた。
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今回のデノミは、同国の中央銀行が8月に実施を発表。通貨の名称を「ボリバル・デジタル」に変更し、これまでの100万ボリバル・ソベラノを、1ボリバル・デジタルとした。ただ、名称変更に伴いデジタル通貨を発行するかは不明。
ベネズエラでは反米左派のマドゥロ政権の失政と石油価格下落、米欧の制裁などにより物資が極端に欠乏し、極度のインフレが進行。民間団体が発表した8月の物価上昇率は前年同月比1743%にも達した。中銀によると、07年12月を100とした物価指数は今年5月に1兆1956億へ暴騰した。