アップルを創業したスティーブ・ジョブズ氏が亡くなったのが10年前。この10年でアップルの株価は10倍に跳ね上がり、時価総額は2兆3400億ドル、日本円にして261兆円に膨れ上がりました。iPhoneをはじめスマートフォンは世界で普及し、バンクマイセルの調べでは現在、約64億人が所有しています。昨年5月にミネアポリスで黒人のジョージ・フロイドさんが警官の手によって命を落とすのを、通りかかった少女が撮影し、ソーシャルメディアで拡散。ブラック・ライブズ・マターの運動が一気に世界に広がりました。スマートフォンが世界を揺さぶる時代をジョブズ氏は予見していたかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

リーダーの資質

一部の米金融政策当局者が昨年、金融取引を行っていたことについて、ウォーレン米上院議員(民主)は「利益相反とインサイダー取引という当然の疑問が生じる」と述べ、「これら当局者の判断は控えめに言っても極めて悪い」と批判した。「パウエル議長がなぜ、一連の投資を止める対策を取らなかったのかは明らかでない」と続けた。ウォーレン氏は来年2月で任期が切れるパウエル議長の続投について公に反対を表明しており、パウエル氏は「リーダーとして失格だ」と述べた。

クリーンの弱点

世界は今、クリーンエネルギーへの移行期における最初の大きなエネルギー危機に直面している。そして、こうした危機は今後も繰り返されるとみられる。エネルギー改革の実現には数十年かかるとみられ、その間、世界は引き続き化石燃料への依存が続くことになりそうだ。エネルギー問題の世界的権威であるダニエル・ヤーギン氏は、「エネルギー転換がいかに複雑なものになるかとの警告だ」と述べた。抜本的な変化が進む中、世界のエネルギーシステムは著しく脆弱(ぜいじゃく)になり、ショックを受けやすくなっている。

重ねて警告

イエレン米財務長官は連邦債務が上限に達すればリセッション(景気後退)を引き起こす恐れがあると、CNBCで述べた。長官によれば、今月18日前後に債務は上限に達する見通し。共和党のマコネル上院院内総務は、民主党が取り組んでいる債務上限の適用停止を阻止する意向を示している。

大台回復

仮想通貨ビットコインは5日の取引で値上がりし、5万ドルを回復した。エルサルバドルがビットコインを法定通貨とした9月上旬以来の高値となった。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアルケシュ・シャー氏らストラテジストはリポートで、デジタル資産の世界は「無視するには大き過ぎる」と指摘。「懐疑論者が想定するよりも多くの機会があり得るというのがわれわれの見解だ」とコメントした。

3つの要因

世界経済の広範な回復に対するリスクが高まっていると国際通貨基金(IMF)はみている。新型コロナウイルスワクチン接種の遅れが続いていることやインフレ加速、債務急増で途上国が大きな後れを取っていることが理由だ。ゲオルギエワ専務理事は講演の原稿で、これら3つの問題は特に低所得国で悪化しており、長期化する公算が大きいとの見方も示した。「バランスの取れたグローバルな回復に対するリスクと障害がさらに一段と顕著になっている」とゲオルギエワ氏は指摘した。IMF・世界銀行の年次総会開幕に合わせIMFは最新見通しを来週公表する。

その他の注目ニュース

米ISM非製造業景況指数、9月は予想外に上昇-業況が改善 (1)

アンデュラン氏のヘッジファンド、年初来リターン50%-商品ブームで

中国・花様年の格下げ相次ぐ、フィッチとS&Pは「一部デフォルト」