[ニューヨーク 5日 ロイター] – 国際金融協会(IIF)のデータによると、9月の新興国市場への資金流入は増加し、流入額は6月以来の高水準となった。中国不動産大手・中国恒大集団の債務問題が懸念され、中国の債券からの流出額は3月以来最大となったが、新興国市場全般では債券発行がおう盛だったことが背景にある。
9月の新興市場への流入額は298億ドル。
債券市場へはネットで262億ドルが流入した。343億ドルが中国以外の国に流入する一方、中国の債券からは81億ドルが流出した。
IIFのエコノミスト、ジョナサン・フォーチュン氏は、「9月の新興国市場のハードカレンシー建てソブリン債の発行額が高水準(約240億ドル)であったことが、全体的な資金流入額を引き上げた」とコメントした。
中国の株式市場には14億ドル、その他の新興国には22億ドルの資金流入があった。中国株式市場への流入額は3月以来の低水準。過去12カ月間の平均月間流入額は70億ドルとなっている。
中国市場への投資に投資家が及び腰になっている一因は、中国恒大集団の債務問題が中国経済全体に波及するのではないかという懸念にある。さらに、中国の不動産開発会社、花様年控股集団(ファンタジア・ホールディングス・グループ)が4日、同日に返済期限を迎えた2億0600万ドルの債務を返済できなかったと発表したことも、不安心理に拍車をかけている。