[ワシントン 5日 ロイター] – 米上院議員は5日、フェイスブックがユーザーの安全を軽視し利益を優先させたという内部告発者の訴えを巡り、規制当局による調査を要求した。

上院商業委員会の小委員会で開かれた公聴会では、フェイスブックの誤情報チームのプロダクトマネジャーだったフランシス・ホーゲン氏が証言「規制当局はフェイスブックを修復する術を持たない。フェイスブックは問題の原因を知られないようにしてきたからだ」と述べた。また、暴力を計画する人々によるフェイスブック利用の防止でも十分な対策を怠っていたと訴えた。

ホーゲン氏は3日に米テレビ番組「60ミニッツ」に出演し、フェイスブックがヘイトスピーチや偽情報対策よりも利益を繰り返し優先させたと訴えたほか、写真・動画共有アプリのインスタグラムが10代少女にとって精神的に有害とされる問題を告発した。

証言に先立ち、ブルーメンソル委員長(民主党)は、フェイスブックが自社のプロダクトの中毒性を把握していたとし、「その真実の瞬間に直面する」と述べた。ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)による同委員会での証言を求めると同時に、米証券取引委員会(SEC)と連邦取引委員会(FTC)はフェイスブックに対する調査に乗り出すべきと主張した。

同委員会の共和党トップ、ブラックバーン議員も、フィスブックが13歳以下のユーザーがいることに目をつぶり、「子どもや全てのユーザーの安全よりも利益を優先しているのは明白」と語った。

与野党両議員はフェイスブックに大きな変化が必要との見解で一致。まれな超党派でのコンセンサス形成となる。

フェイスブックの広報担当は証言前に電子メールで、コミュニティを守ることが利益の最大化よりも重要と位置付けており、インスタグラムが10代の少女に「有害」という流出した内部調査の内容は正確ではないと強調した。