[ニューヨーク 5日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが小幅高。先週付けた1年ぶりの高値付近で推移した。週末の米雇用統計発表を控え、トレーダーは慎重な姿勢を維持した。
テンパスのバイスプレジデント、ジョン・ドイル氏は「非農業部門雇用者数は常に市場を動かす要因だ」と指摘。「迫力に欠ける数字なら米連邦準備理事会(FRB)のハト派姿勢につながるが、大幅な増加となれば、エネルギー危機に伴うインフレ高進とともにFRBにテーパリング(量的緩和の縮小)開始圧力がかかり、ドルを支援するだろう」と述べた。
ロイターが実施した調査では48万8000人の雇用増が予想されている。
主要6通貨に対するドル指数は0.2%高の93.981。先週9月30日には94.504と2020年9月以来の高値を付けていた。
ドイル氏は「一般的にはドルは9月末の上昇後に新たなレンジ相場に入るだろう。個人的にはドルの上昇は行き過ぎとみており、ここ3─4日でその反動が見られた」と述べた。
一方、スコシアバンクのチーフ為替ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は、FRBが間もなくテーパリングを開始する可能性が高いことから「足元のドルの値固め的な調整が終了すれば、ドル高が継続する条件が整っている」とした。
豪ドルはほぼ変わらず。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は5日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.10%に据え置いた。住宅市場の過熱に対する懸念が高まっているが、中銀は長期間にわたり低金利を維持する意向を示唆した。
ポンドは対ユーロで約3週間ぶりの高値を付けた。先週は大幅に下落していたが、英国の金利上昇見通しが注目され回復した。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは9月7日以降で初めて5万ドルを回復した。
ドル/円 NY終値 111.45/111.48
始値 111.21
高値 111.55
安値 111.14
ユーロ/ドル NY終値 1.1596/1.1600
始値 1.1593
高値 1.1613
安値 1.1581