[東京 8日 ロイター] – 鈴木俊一財務相は8日、外国為替資金特別会計で保有する外貨資産の運用について、ESG(環境・社会・企業統治)投資を導入すると表明した。主要7カ国(G7)で初めての取り組みとなる。鈴木財務相が同日午前の閣議後会見で語った。

鈴木財務相は「機関投資家の間でESG投資への関心が高まり、今後ESG債への投資が増えていくことが見込まれる」とし、「従来からの安全性、流動性、収益性の基本原則は堅持しつつ、ESG要素も考慮した投資を行っていく」と述べた。

脱炭素社会の実現に向けて「他の主要国や民間を含む広い分野で同様の取り組みが加速し、結果として環境や社会問題の解決につながっていくことを期待している。市場の広がりが出てくれば金融面でもプラス」との考えも併せて述べた。

会見では、岸田文雄首相から、1)新型コロナウイルス感染症の拡大防止、2)ウィズコロナ下での社会経済活動の再開と危機管理の徹底、3)未来社会を切りひらく新しい資本主義の起動、4)国民の安全・安心の確保――を柱とする経済対策を策定するよう指示があったことも明らかにした。総選挙後速やかに決定したい考え。

財源の裏付けとなる2021年度一般会計補正予算の編成に関しては「できれば、私の考えでは年内に補正予算を成立させ、1月からの通常国会では冒頭から来年度予算の審議が始まるのが望ましい」と語った。