[ニューヨーク 12日 ロイター] – 国際通貨基金(IMF)は12日、中国には経営危機に陥っている不動産大手、中国恒大集団に関連する問題に対応する能力があるが、その影響が拡大してより広範な金融ストレスを引き起こすリスクがあるとの見方を示した。
IMFのトビアス・エイドリアン金融資本市場局長は国際金融安定性報告書(GFSR)の発表に合わせて行われたインタビューで、「中国当局は(中国恒大を巡る)状況に対応する手段を持っている」と指摘。「中国には財政能力があり、この問題に対応するための法的・制度的手段もある。そのため、何か問題があるとすれば、非常に明確なコミュニケーションがなく、必要な措置が取られていないことだ」と述べた。
その上で「現時点で悪影響は抑制されている」とし、「当局が明確な計画を持っている限り、問題は解決されるだろう」とした。
GFSRによると、これまでのところ、悪影響は他の財務的に弱い不動産開発業者や低格付けの企業に限定されている。ただ、状況が「悪化すれば、より広範な金融ストレスが発生し、中国の経済や金融セクター、さらには世界の資本市場にも影響が及ぶリスクがある」とした。