[ニューヨーク 12日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが1年ぶり高値を更新。米連邦準備理事会(FRB)が来月にもテーパリング(量的緩和の縮小)を発表するとの期待が追い風となった。また、エネルギー価格高騰を巡る懸念から、安全資産としてのドルの逃避買いが膨らんだ。

エネルギー価格の値上がりがインフレをあおり、FRBが予想よりも早期の行動を余儀なくされるという見方から、米債券市場では2年債利回りが約18カ月ぶりの水準に上昇した。

FXストリート・ドット・コムのシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサニ氏は「債券相場の動向に注目が集まっている。クレジット市場では11月のテーパリング開始が見込まれている」と述べた。

週内に発表される米消費者物価指数(CPI)と小売売上高が注目される。ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「堅調な内容となれば、年内のテーパリング開始はほぼ確実となり、市場の利上げ予想が微調整される可能性がある」とした。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は94.563を付け、昨年9月終盤以来の高値を更新した。

米債利回り上昇が円売りに拍車を掛け、ドルは対円で3年ぶり高値を付けた。

エネルギー価格の上昇が景気回復を頓挫させるという懸念から、ユーロも売られ、ユーロ/ドルは0.23%安の1.1525ドルと、昨年7月以来の安値を付けた。

独欧州経済センター(ZEW)が12日発表した10月の景気期待指数は5カ月連続で低下した。供給制約が重しとなった。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは3.02%安の5万5750ドル。イーサも1.38%安の3495ドル。

ドル/円 NY終値 113.60/113.63

始値 113.35

高値 113.78

安値 113.27

ユーロ/ドル NY終値 1.1527/1.1531

始値 1.1550

高値 1.1559

安値 1.1525