朝日新聞社は19、20日、衆院選公示を受け、全国世論調査(電話)を実施した。政権選択が焦点になることを踏まえ、「今後も自民党を中心とした政権が続くのがよい」か、「立憲民主党を中心とした政権に代わるのがよい」か、聞いたところ、「自民中心」は46%で、「立憲中心」の22%を上回った。

 無党派層は「自民中心」27%、「立憲中心」23%で、態度を明らかにしない「その他・答えない」が50%を占めた。民主党政権が誕生した2009年衆院選の公示直前の調査で同様の質問をした時は、「自民中心」が21%で、「民主中心」49%だった。

 衆院の比例区投票先について政党名を挙げて聞くと、自民は38%で、立憲は13%。岸田内閣発足直後の10月初めの前回調査では41%対13%で、差は少し縮まった。今回、公明党は7%(前回5%)で、日本維新の会7%(同6%)、共産党5%(同4%)などが続いた。

 無党派層の比例区投票先は、自民22%(同22%)、立憲12%(同13%)。菅前首相の退陣表明前の8月調査ではともに16%で並んでいたが、その後は自民が優位に立っている。

 この4年間の自公政権の全体的な評価を聞くと、「よかった」35%で、「よくなかった」43%が上回った。比例区投票先に自公両党を挙げた人でも「よくなかった」が26%だった。

 一方、立憲の政権担当能力について尋ねると、「ある」は「大いに」3%、「ある程度」31%を合わせて34%で、「あまり」40%、「全く」18%を合わせた「ない」58%の方が多かった。09年の衆院解散直後調査で聞いた民主党の政権担当能力は、「ある」54%、「ない」41%だった。

 今回の衆院選で立憲や共産など野党5党が小選挙区で候補者の一本化を進めたことを「よかった」と答えた人は46%で、「よくなかった」の25%を上回った。「よかった」は、比例区での立憲投票層の74%、共産投票層の79%を占め、自公投票層でも40%だった。

 岸田内閣の支持率は41%(前回45%)と下落し、不支持率は26%(同20%)に上昇した。前回同様、「その他・答えない」が3割を超えた。無党派層の支持率は21%(同28%)と低迷している。

 新型コロナウイルスを巡るこれまでの政府の対応は「評価する」が51%で、「評価しない」の38%より多かった。「評価する」が上回ったのは昨年11月調査以来。従来、「評価する」と内閣支持率が連動する傾向がみられたが、支持率は今回、下落した。岸田首相の経済政策に「期待できる」は37%(同42%)で、「期待できない」39%(同28%)が逆転した。不支持理由(4択)の中では「政策の面」だけが24%(同14%)と増えている。

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 〈調査方法〉 コンピューターで無作為に電話番号を作成し、固定電話と携帯電話に調査員が電話をかけるRDD方式で、19、20の両日に全国の有権者を対象に調査した。固定は有権者がいると判明した2063世帯から1181人(回答率57%)、携帯は有権者につながった4261件のうち1926人(同45%)、計3107人の有効回答を得た。