[ニューヨーク 22日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、 ドルが下げ幅を縮小した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がFRBはテーパリング(量的緩和の縮小)を近く開始すべきだが、まだ利上げすべきではないと述べたことを受けた。

パウエル議長は「供給上の制約とインフレ高進は従来の想定よりも長く続く可能性が高く、来年も継続するだろう。賃金への圧力についても同様だ」とし、「テーパリングの時期だと思うが利上げのタイミングではない」と述べた。

先週は、インフレ率が予想より長期的に高止まりするとの見方から早期利上げ観測が台頭したことで、ドル指数は約1年ぶり高値に上昇。その後、利食い売りが出ていた。

TDセキュリティーズのシニア外為ストラテジスト、マゼン・イッサ氏は、若干のポジション巻き戻しが見られたと指摘。月末要因もドルの軟調さにつながっているとの見方を示した。

ただ、FRBがタカ派姿勢を崩さずにテーパリングに着手すると見られる中、世界の他の主要中央銀行は積極的な利上げに抵抗する可能性があることから、ドルは勢いを取り戻すと予想。「ドルの下落はわずかにとどまるとみている」と述べた。

この日発表の米経済指標では、IHSマークイットの10月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が57.3と、前月の55から上昇した。

主要6通貨に対するドル指数は0.10%安の93.64。先週は94.56と、約1年ぶり高値を付けていた。

ユーロは0.09%高の1.1636ドル。ドルは対円で0.50%安の113.42円。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.98%安の6万0367ドル。ビットコイン先物ETF(上場投資信託)の取引が米国で始まったことを受けた需要増を反映し、20日には6万7017ドルと、過去最高値を付けていた。

ドル/円 NY終値 113.46/113.49

始値 113.80

高値 113.91

安値 113.42

ユーロ/ドル NY終値 1.1647/1.1651

始値 1.1635

高値 1.1655

安値 1.1623