- 恒大創業者個人で返済をと中国政府が指示、半導体不足に緩和の兆し
- 米ビリオネア税構想、中国電信の米免許停止、米消費者信頼感が上昇
税制改正で注目されるキーワードは、日本では「1億円の壁」、米国では桁違いのビリオネア、「10億ドル(約1400億円)の壁」といったところでしょうか。超富裕層の投資利益に課税する前代未聞の民主党構想に憤りを隠さないヘッジファンドマネジャーもいれば、「正しく使われるなら」との条件を付けて、少なくとも表向きは富裕層課税に前向きな姿勢を見せる富豪もいます。議会予算局(CBO)は7月のリポートで、2022会計年度(21年10月-22年9月)の財政赤字について1兆1500億ドルとの見通しを示しました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
富豪個人で負担を
中国当局は債務危機が深刻化する恒大集団の創業者に対し、個人資産を使って債務を返済するよう指示した。事情に詳しい関係者が明らかにした。中央政府の要求は、恒大救済に乗り出す意欲が低いことを示す。資産格差の縮小を目指す「共同富裕」の一環として、習近平国家主席は富裕層締め付けを強化している。恒大にとって次のハードルは、ドル建て債利払いで30日間の猶予期間が終わる今月29日。これを乗り切ったとしても、2022年にはオンショア債とオフショア債で合計約74億ドル(約8500億円)の支払期限を迎える。
トンネルの出口
半導体のリードタイム(発注から納品までにかかる時間)は10月に、過去約9カ月で最も小幅な拡大にとどまった。幅広い業界に打撃を与えてきた半導体不足がようやく緩和されつつある可能性を示唆する。サスケハナ・ファイナンシャル・グループの調査によれば、10月のリードタイムは前月から1日の延びにとどまった。半導体の種類別では、電源管理に使われるパワー半導体やオプトエレクトロニクス分野の半導体で短くなった半面、自動車メーカーなどで使われるマイクロコントローラーは6週間も延びたという。
手つかずの5兆ドル
米民主党が温めている最新の税制案は、米国の「ビリオネア」と、課税されずに拡大を続ける彼らの投資利益を狙い撃ちにしている。米国では資産10億ドル(約1140億円)以上のビリオネアら800人超が合わせて保有する資産総額は5兆ドルを超える。この額は過去5年間に2倍余りとなった。前例のない民主党の「ビリオネア税」構想に対し、ヘッジファンドを運用するレオン・クーパーマン氏は、「米国は資本主義国家ではないのか、それとも社会主義国家になったのか」と憤りを隠さない。
免停
米連邦通信委員会(FCC)は中国国有通信会社、中国電信(チャイナテレコム)の米国内事業免許を取り消した。安全保障を理由とした中国通信会社への締め付けを強化した。中国電信の米部門は2002年から事業免許を保持していた。同社は中国通信大手3社のうちの1社。ローゼンウォーセルFCC委員長代行は「中国政府が影響力を行使し、同社の活動を制御することは可能だ」と説明。中国聯通(チャイナユニコム)とコムネットに対する安全保障上の審査についても、完了に向け「速やかに動いている」と述べた。
感染減少を反映か
民間調査機関のコンファレンスボードが発表した10月の米消費者信頼感指数は、予想に反して113.8に上昇。4カ月ぶりの上昇となった。最近の新型コロナウイルス新規感染者の減少が、消費者の景況感を後押しし始めていることを示唆する。コンファレンスボードの景気指数担当シニアディレクター、リン・フランコ氏は発表文で、短期的なインフレ懸念が景気信頼感に与えた影響は限定的だったと指摘し、「10月は住宅や自動車、大型家電の購入を計画する消費者の割合がいずれも増加した」と説明した。
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