- 前例のない投資利益課税、「社会主義国家か」と憤るクーパーマン氏
- 「ゆくゆくは、あなたたちを狙いに来るだろう」-テスラのマスク氏
米民主党が温めている最新の税制案は、米国の「ビリオネア」と、課税されずに拡大を続ける彼らの投資利益を狙い撃ちにしている。
ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、米国では資産10億ドル(約1140億円)以上のビリオネアら800人超が合わせて保有する資産総額は5兆ドルを超える。この額は過去5年間に2倍余りとなった。
ビリオネアらの資産は急増したが、彼らが支払う税金はそうではない。現行の規制に基づくと、投資利益が課税されるのは資産売却時にのみで、富裕層は与えられた柔軟性を享受し、極めてまれにしか売却しない。
民主党がこの問題を解決するには独創的で、奇抜とも言われるような構想が求められる。具体的には「ビリオネア税」という最も富裕な層を対象とした、前例のない投資利益への課税だ。
このアイデアに憤りを隠さないビリオネアもいる。ヘッジファンドを運用するレオン・クーパーマン氏は、「富裕層を攻撃するべきではない」と批判。「米国は資本主義国家ではないのか、それとも社会主義国家になったのか」と問いかけた。
世界一の富豪である米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、「ゆくゆくは税収を使い果たし、あなたたちの資産を狙いに来るだろう」と25日夕にツイートした。マスク氏の資産は年初以降に1190億ドル拡大した。
原題:Democrats’ New Tax Target Is $5 Trillion in Billionaire Wealth(抜粋)