[ワシントン 27日 ロイター] – 米商務省が27日発表した9月の耐久財受注統計は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月から0.8%増えた。ロイターがまとめたエコノミスト予想は0.5%増だった。
国内総生産(GDP)で設備投資の算出に用いられるコア資本財の出荷も1.4%増と、伸びが前月の0.6%増から加速した。堅調な企業の設備投資を示唆したものの、長引くサプライチェーン(供給網)の問題が第3・四半期の米経済成長全体を圧迫する公算が大きい。
8月のコア資本財受注は当初の0.6%増から0.5%増に下方改定された。
内訳では、機械や一時金属などが増加。一方、コンピューターや電子製品や家電などは減少した。世界の半導体不足が要因とみられる。
FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「第3・四半期の米成長率が過去1年で最も低い伸びとなる可能性がある」としつつも、記録的な水準に達している企業の設備投資に言及し、企業は第3・四半期に減速した個人消費が年内に回復することを見込んでいるという認識を示した。
ロイターのエコノミスト調査によると、28日に発表される第3・四半期の米GDP速報値は年率換算2.7%増と、前四半期の6.7%増から大きく減速すると予想されている。
9月の全体の耐久財受注は0.4%減と、前月の1.3%増からマイナスに転じた。輸送機器が2.3%減、自動車・部品が2.9%減となり、全体を圧迫した。
輸送機器は8月に3.8%増、自動車部品も3.9%増となっていた。
民間航空機・部品は27.9%急減。前月は63.9%急拡大していた。