米民主党穏健派のマンチン上院議員は1日、バイデン大統領が発表した1兆7500億ドル(約200兆円)規模の税制・社会保障支出の枠組みについて、経済と連邦政府債務に与える影響を評価するために議会にはさらなる時間が必要だと述べた。同枠組みの早期実行の可能性を大きく後退させるものだ。
マンチン氏はバイデン氏が先週明らかにした同枠組みを支持するかどうか明らかにせず、週末の協議で進展があったかどうかにも言及しなかった。
同氏はバイデン大統領が掲げる計画の本当のコストを知るための「完全な分析」が必要だと指摘。インフレ高進と政府債務増大の両方を懸念していると述べた。
より大規模な経済政策での完全な合意がない限りインフラ法案を前進させないとしている党内進歩派の姿勢もマンチン氏は批判した。
記者会見で同氏は「過去3カ月、私は自分の懸念を率直に述べ、社会プログラムを拡大し、29兆ドルの債務を無責任に増やす妥協案には支持できないとしてきた。債務について、誰も気にしておらず、本気で話もしていないようだ」と発言。そのうえで「歴史的インフレに苦しむ米国の家族に打撃を与えるリスクがあるパッケージも支持しない」と述べた。
これに対し、民主党のシューマー上院院内総務は、大統領の経済計画が米国民のコスト上昇にはつながらないと反論。「これはまさに米国の人々が必要としているものであり、インフレをあおることはない」と上院の本会議場で語った。
ペロシ下院議長も同パッケージが長期的なインフレ圧力の緩和につながると強調した。
サキ大統領報道官は声明で、インフレ抑制と財政規律、雇用創出につながる計画を支持する用意があるとマンチン氏は述べており、下院がまとめ上げている計画はそれを満たすものだと指摘。「われわれはマンチン上院議員の支持を得られると引き続き自信を持っている」と述べた。
原題:Manchin Slams Brakes on Biden Plan, Chides Progressives (2)(抜粋)