[香港 3日 ロイター] – 中国人民銀行(中央銀行)のデジタル通貨研究所の穆長春所長は3日、10月時点で約1億4000万人が中国の新たなデジタル通貨「e―CNY」を管理する「ウォレット(財布)」を開設しており、取引累計額は約620億元(97億ドル)に上ると明らかにした。香港の「フィンテック・ウィーク」の会合で述べた。
穆所長はまた、e―CNYの公式発行日はないと述べた。
世界の中央銀行は金融システムの現代化やビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)への対抗、国内外の支払い迅速化のために、中央銀行デジタル通貨(CBDCs)の開発を試みている。
中国の取り組みは世界的に見て最も先行している。同国は昨年以来多様な実験やパイロット計画を行っている。
穆所長は、現時点で155万の事業者がe―CNYウォレットを通じた公共料金、ケータリングサービス、交通、小売り、公的サービスなどの代金受け取りが可能だと明らかにした。