マイナカード保有者にポイント3万円付与も
政府・与党は4日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた支援策として、18歳以下の子どもや若者に現金10万円を一律支給する方針を固めた。所得制限は設けない。政府が19日にも取りまとめる大型経済対策に盛り込む。マイナンバーカードを保有する全国民を対象に、1人3万円相当のポイントを付与する方向でも調整している。
現金給付の対象は0歳から高校3年生までとし、高校に進学していない若者も含める。対象は約2000万人にのぼる見通しで、予算額は約2兆円を見込む。入園・入学シーズンを迎える来春までに支給を実現したい考えだ。
必要な財源については、2020年度の決算剰余金約4兆5000億円を充てることなどを想定している。現金給付を含む経済対策は数十兆円規模となる見込みで、政府・与党は経済対策の内容を反映した21年度補正予算案を年内に成立させたい考えだ。
子どもらへの10万円給付を巡っては、公明党が衆院選公約で「未来応援給付」として、教育・子育てに使途を限定したポイント付与も含めて主張してきた。これに対し、自民党は、非正規労働者や生活困窮者などを重点的に支援する方針を打ち出し、与党内で調整が続いていた。公明党の北側一雄副代表は4日の記者会見で、「経済的にお金が必要な時に現金で給付するのが一番適切だ」と語った。非正規労働者や生活困窮者などへの現金給付については、別途行う方向で、与党が詳細を調整している。
安倍内閣時代の昨年4月には、新型コロナ対策として、全国民への一律10万円支給を決めた。ただ、その多くが貯蓄に回り、消費の押し上げ効果は限定的だったとの見方も出ていた。
一方、マイナンバーカード保有者にポイントを付与する事業は、カードの普及と消費喚起を図り、政府のデジタル化を推進する狙いがある。予算額は約3兆円を見込み、経済対策に盛り込む方向だ。