[5日 ロイター] – 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で過去4週間のどこかの時点で働けなかった米国の労働者数は、10月に100万人超減少した。コロナ感染者数が減少し始め、健康上の懸念から求職していないと回答した人も減少した。米労働省の調査で5日、明らかになった。
この調査によると、10月に働けなかったり、勤務先の完全な閉鎖や事業縮小によって労働時間が減ったりした労働者は約383万人となり、前月の約503万人から減少した。8月に減少傾向が途絶えて増加していたが、再び減少に転じた。
感染力が強い新型コロナのデルタ変異株の感染が広がって経済に打撃を与え、労働市場の不確実性が再燃した今夏を経て、勢いを取り戻しつつある経済状況を映し出した。
今回の調査期間中、米国での新型コロナ感染者数はピークだった9月半ばから半減した。現在は感染者数のうち99%超をデルタ変異株が占めている。
新型コロナへの懸念を理由に仕事を探さないと答えた人も9月の163万人から129万人へ減った。これは新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が始まって以来の最低となり、労働力不足に苦しむ経済にとって明るい兆候となった。
これらの数値は、米連邦政府が毎月の雇用統計と合わせ、パンデミックが始まった後に継続的に実施している家庭への追加調査に基づいている。
全体的には新型コロナの今夏の感染急増による逆風が弱まったことで、10月の雇用は予想以上に増加。2カ月連続の予想を下回る増加から勢いを回復したことが示された。
ニューヨークのインスペレXのシニアトレーダー、デービッド・ペトロシネリ氏は「過去2カ月ほどはデルタ変異株が雇用を抑制していたが、そこから脱したことで安堵(あんど)のため息をついている」と語った。
パンデミックの影響でテレワーク(遠隔勤務)を最近したとの回答は10月に1805万人となり、9月の2035万人から減少した。